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<なぜ燗をするのか> 歴史的にみると、平安時代中期から銅製の鍋に酒を入れ直接火にかけて温めていたようです(直鍋という。) ただし、江戸中期までは燗をして飲んだのは秋から冬の間だけで、「暖酒(あたためざけ)」と呼んだそうです。寒い時だけでなく 一年中燗をするようになったのは江戸中期以降とされており、この頃大型だった徳利が一合、二合入りと手ごろな大きさになり、燗 徳利という湯煎方式の燗が一般化したと考えられているようです。 では、なぜ燗をするようになったのかは謎のままのようですが、寒造りの酒は燗をすると口当りがよくなり、こくも出る からという説や、燗をした方がゆっくり飲むから悪酔いしにくいという説などがあるようです。 <燗に向く酒と冷やに向く酒> フルーツ系のフレッシュな香りを楽しむタイプの酒は、温めるとアルコールが立ってしまい、味わいを悪 くするものが多いから、吟醸酒や生酒などは、冷で飲むのが無難といえるようです。 特に大吟醸酒に多いフルーティーでしかもシャープなタイプの酒は、 冷で飲むのに適しています。 また、人の味覚は低温では甘味をあまり感じなくなるので、酸味をより強く感じることになり、その 分吟醸酒ならではのフレッシュさを味わいやすいということでもあるようです。 一般に、日本酒は温度を高くするほど舌ざわりが滑らかになり、甘味、酸味、苦味などのバランスが良くなって、 より旨みを増すとされます。 特に、旨みや酸味の強い濃醇タイプの酒は 燗に向いているといわれます。 山廃造りなど生もと系酒母で造る酒は、もともと燗を して飲んでいた酒なので最も燗に向く酒といわれ ます。反対に、旨み成分の少ない淡麗タイプの酒は、燗をすると水っぽくなってしまい、アルコールが舌を刺激するような傾向 があるとされます。 <どうして「左利き」というのか?> 昔から酒飲みのことを「左利き」といいます。これは、一般に右利きの人が多いから、大工が右で金槌を持ち 左でノミを持つため、ノミと「飲み」を掛けて、また盃も左手で持つことから「左利き」や「左党」などと 言うようになったといわれます。 <酒粕について> 酒粕はもろみを圧搾して清酒を分離した時に残る固形物のことで、きれいな板状になっているものを板粕、 形の崩れたものをバラ粕と呼んでいます。一般に家庭消費用に出荷されるのは板粕で、形よく取り出すのに手間がかかるためバラ粕に 比べ高価です。 酒粕のできる量は酒の造り方によって違い、原料白米に対する粕の割合を「粕歩合」と呼びます。普通酒の粕歩合は 25〜30%位ですが、吟醸酒の場合は50〜60%にもなります。 粕はもろみ中で解けきれなかった米粒や米麹、酵母、それに清酒成分を含んでいる栄養価の高いもので、アルコール分も8% 程度あります。そのまま火であぶって食べたり、粕汁や速成の甘酒にも利用されます。 また、酒粕は奈良漬など粕漬けの原料にもなります。バラ粕や余った板粕を足で踏んで練状にした「踏み粕」が粕漬けに利用 されます。 (出典):「日本酒百味百題」(発行:野本信夫 監修:小泉武夫)より引用させていただきました。 <利き酒について> 酒類の品質やタイプを判定するには、利き酒という方法がとられます。酒類の香味成分は分析可能なものだけでも数百種類におよび、さらにこれらの成分の微妙な組み合わせによって酒類の複雑な香味が成り立っています。化学分析値だけでは,嗜好品である酒類の品質を表現することは難しく、人間の感覚による利き酒という方法が最も優れているとされています。 利き酒能力は訓練によって上達しますが、その際、次の点に注意すると上達が早いでしょう。 ○ 利き酒用語(酒類の香り、味、外観等を表現する用語)を覚える。 ○ 利き酒の結果を記録する。 ○ 頭の中に、酒質に関する尺度を作る。(甘い、辛い、濃い、淡い等) ○ 心身とも集中した状態で利き酒を行う。 <<清酒の利き酒>> (利き酒の容器) 白磁製で底に蛇の目模様の入った、容器180ml程度の「きき猪口」(ききちょこ)を使うのが一般的です。この容器に7〜8分目の清酒を入れて利き酒をします。蛇の目模様は、お酒の色調や透明度の具合を見るためのものです。 (清酒の温度)15〜20℃が適当です。 (手順) @目でよく観察し、色調、透明度、浮遊物の有無についてチェックします。 Aきき猪口を鼻に近づけ、軽く回して香りの特徴や強さを観ます。 B5ml程度を口に含み、すするようにして清酒を舌の上に広げ味を観ます。同時に口 から鼻に抜ける香りもチェックします。(口に含む量は常に一定にし、口中に止めて おく時間は2〜5秒くらいが適当です。) C清酒を吐き出し、後味をチェックします。 D総合評価の点数,酒質の特徴、長所、短所等を記録します。 (利き酒用語)
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